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コラム・素領域

2023年11月10日号

素領域

今年の夏は過去126年で最も暑かったという気象庁の報告があったが、季節はやっと秋を迎えている▼日本気象協会が11月1日に発表した紅葉見頃予想によれば、これから色づきはゆっくり進み、例年より遅いか平年並みに見頃を迎えるようだ。東海地方、近畿地方、九州地方の一部が平年並みで、それ以外は遅くなる見込みだという▼桜前線とは逆に北から南下していくのだが、日ごとの実際の紅葉の色づき具合が、カエデ類が色づいた場所を線で結んだ紅葉前線として公表されている。見頃はカエデ類の木の大部分の葉の色が紅色に変わった状態とされている▼11月には祝日が2つあり、1つめは文化の日、2つめは勤労感謝の日だ。勤労感謝の日はもとは新嘗祭。いわば秋の収穫祭のようなもので戦後に転用されて現在の祝日になった。そのためハッピーマンデー制度の適用外になっているようだ。伊勢神宮によれば新穀(主に米)を神に奉り、その恵みに感謝して国家安泰、国民の繁栄をお祈りするらしい。4月初旬には米の種まきにあわせ神田下種祭があるが、こちらは祝日ではない▼地球温暖化による農産物の生育障害や品質低下等の影響が問題になっているが、今年頻発しているクマ被害の多発にも影響している可能性が示されている。森林総合研究所は原因の1つとしてあげられているドングリの凶作の周期が近年の温暖化で変化し、結実数と気温に相関があることを明らかにしている。自然との共生はもともと難しい課題だが、よりよい道を探っていかなければならない。

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