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コラム・素領域

2018年6月15日号

素領域

梅雨の字にある梅は花ではなく実のことなのだ。梅の木を見て実感を持ってそれが理解できたこのごろだが…▼気象庁によれば今年の東京を含む関東甲信地方の梅雨入りは6月6日ごろ(速報値)で平年より2日はやかった。梅雨明けも昨年の例では7月6日ごろで平年より15日もはやくやって来た。また昨年は梅雨の時期の降水量が少ない地方が多く、国管理河川の1割強の12水系14河川で取水制限が行われる渇水が発生した。国土交通省や地方自治体などが節水を呼びかける広報を様々な場所で展開したので覚えている人も多いのではないだろうか▼先日、観光で訪れた海外某所では、例年は激しいスコールがあるそうだが今年は雨が降らず、観光客には喜ばれるが、このままだと農作物が壊滅的な打撃を受けると聞いた。一般家庭では夜間の断水が行われているという▼近年、日本では気候変動の影響で降水量の変動幅が拡大し、毎年のように渇水、あるいは洪水が起きている。渇水は農業だけでなく、水を大量に必要とする製造業にも大きく影響する。また地盤沈下という間接的な問題も引き起こし、平成6年に起きた過去最大の渇水では、42都道府県の1666人に影響があった▼政府はインフラ整備を進めているが、最終的に必要なのは我々ひとりひとりの節水だ。ぜひ地方自治体や省庁のWebサイトを参考にしてほしい。国土交通省のサイトには、全国のダム貯水情報もある▼水資源の貴重さなどに対する理解や関心を深めるため、政府は毎年8月1日を「水の日」、またこの日から1週間を「水の週間」としている。今年こそ雨水などの二次利用水をつかった打ち水に参加したい。

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