2025.04.18 研究・成果
磯部紀之副主任研究員
紙コップや紙の包装容器などは、環境に優しい素材を使った製品として流通しているが、中身が見えないため、プラスチックを置き換えるまでにはなっていない。海洋研究開発機構海洋機能利用部門の磯部紀之副主任研究員、東京大学大学院農学生命科学研究科の岩田忠久教授、東京理科大学工学部工業化学科の上谷幸治郎准教授らの研究グループは、板紙を透明にすることに成功した。古紙や衣類などのセルロースからも作製(アップサイクル)できるほか、透明なコップやストローといった立体成形もでき、濡れにも強い。磯部副主任研究員は「通常の紙のセルロースファイバーはマイクロメートルサイズですが、透明紙はナノサイズのセルロースファイバーが密に詰まった構造をしているため、光が散乱せずに透明になります。社会実装するためには、まだまだ超えなければならない課題があります。連続生産プロセスのプロトタイプまで作り込んでいきたいと思います」と話す。
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