2020.01.17 その他
【あんざい・ゆういちろう】1974年慶應義塾大学大学院工学研究科博士課程修了、81年カーネギーメロン大学客員助教授、85年北海道大学文学部助教授、88年慶應義塾大学理工学部教授、93年慶應義塾大学理工学部長、2001年慶應義塾長、11年10月日本学術振興会理事長、18年同顧問。
AI(人工知能)という言葉は、今や日常会話の中にも出てくるほど一般化し、研究においても重要なツールとなっているが、AIを理解し、使いこなしている人はそれほど多くはない。政府の司令塔であるAI戦略実行会議は昨年、多くの人がAIを使いながら社会のデジタル・トランスフォーメーションを実現していくためのAI戦略2019を策定し、今年はいよいよ本格的な実行段階に入る。そこで会議の座長であり、SIPビッグデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術のプログラムディレクター、官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)革新的サーバー空間基盤技術の領域総括も務める安西祐一郎氏に、AI戦略や今後の研究開発の方向性について伺った。
AI戦略の第1の柱は、教育改革。大学生・高専生約50万人、高校生約100万人に数理、AI、データサイエンスのリテラシーを身に付けてもらい、大学生・高専生の一部25万人には「専門分野×AI」というかたちで副専攻としてAIを応用できる力を持ってもらう。さらに大学院等の2000人は、実課題をAIで解決する課題解決型のAI人材に育ってもらい、その中で世界レベルのトップクラスが100人程度は育つようにする。2025年をめどに目標として設定しています。また社会人のリカレント教育は年100万人を目指しています。
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