2020.04.03 研究・成果
岡山大学大学院自然科学研究科の篠原従道さん(大学院生)と富岡憲治教授、徳島大学、ポンペウ・ファブラ大学(スペイン)などのグループは、昆虫の幼虫の季節適応の仕組みを分子レベルで解明したと発表した。タンボコオロギを用いて、幼虫で越冬する際に日長と温度の2つの条件が協調して作用することで、環境に適応していることを明らかにした。害虫駆除等への利用が期待される。
昆虫は熱帯に起源を持ち温帯へと生息域を広げ、この過程で春から夏にかけて繁殖し、休眠により越冬する季節適応を果たしたと考えられている。卵や蛹で休眠し越冬する際には、日長が関わることがわかっている。一方で、幼虫で越冬することもあり、その際にどのような仕組みで季節に適応するのかはわかっていなかった。これまでの研究で、幼虫で越冬する昆虫は、日長に発育が制御され、日の長い夏の間は速やかに成長し、日が短くなると成長が抑制されることがわかっていた。
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