2020.04.24 研究・成果
世界約600万人の疫学調査により、父親の高齢化が子供の神経発達障害の発症リスクに関わることが明らかになっているが、その発症メカニズムはよくわかっていない。東北大学大学院医学系研究科の舘花美沙子博士課程学生、大隅典子教授らの研究グループは、マウスの精巣において精子形成過程のエピゲノム変化を体系的に解析し、加齢による変化をカタログ化し、ヒストンタンパク質メチル化修飾が加齢によって大きく変化し、次世代の神経発達に影響を与えることを明らかにした。大隅教授は「すでにヒトの精子を使った研究を開始しており、将来的には父親の高齢化がリスクとなる次世代の疾患を予想するための診断法の開発につなげたい」と話す。
研究グループは、マウス精子形成過程におけるエピゲノムマーカーとして、ヒストンタンパク質の代表的な化学修飾である7種のメチル化と1種のアセチル化について体系的に解析し、加齢による変化を明らかにした。
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