2021.06.25 研究・成果
脳内の神経細胞は、出生後の発達期にシナプスの刈り込みと強化が行われることで、正しい回路のみが残っていくが、強化される樹状突起はどのように選ばれるのかはわかっていなかった。九州大学大学院医学研究院の今井猛教授、藍原周平元大学院生、藤本聡志助教、坂口理智元大学院生の研究グループは、においの情報処理をつかさどる嗅球の神経細胞、僧帽細胞をモデルとして、発達期に特定の樹状突起が選択的に強化される分子機構を解明した。藍原元大学院生は「分泌タンパク質BMPと神経伝達物質グルタミン酸の入力が両方ある時のみ、樹状突起が強化され、入力がないと刈り込みが起こることがわかりました。グルタミン酸がアクセルだとすると、BMPはクラッチの役割を担っています」と話す。
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