2023.05.12 研究・成果
記者会見に臨んだ(左から)東北大学の片桐秀樹教授、高橋圭助教
糖尿病患者は血糖値が高いとき、食欲が増加して食べすぎてしまう。こうした現象は以前から知られていたが、そのメカニズムはよく分かっていなかった。東北大学大学院医学系研究科糖尿病代謝内科学分野および東北大学病院糖尿病代謝科の高橋圭助教、片桐秀樹教授らのグループはマウスを用いた実験で、肝臓からレプチン受容体が分泌され、脳で働くレプチンの作用が阻害されることで、食欲が亢進することを明らかにした。片桐教授は「もともとは飢餓の際に必要以上のカロリー消費を抑え、食欲を高めることで、生命を守る仕組みであったものが、飽食の時代にはマイナスの作用をしてしまったということです。肝臓でのインスリンの効きを良くする薬剤はすでにあるので、すぐに治療に応用できると思います」と話す。
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