2023.05.12 研究・成果
記者会見の様子。右から農研機構の小林徹也グループ長補佐と安田哲也領域長、東大の霜田政美教授
農研機構生物機能利用研究部門昆虫利用技術研究領域の上原拓也主任研究員と小林徹也グループ長補佐、東京大学大学院農学生命科学研究科の霜田政美教授、筑波大学生命地球科学研究群の古川誠一准教授と道下玲奈さん(大学院生)の研究グループは、昆虫の力を借りて食品廃棄物の臭気を抑える技術を開発したと4月24日、農研機構(茨城県つくば市)で発表した。アメリカミズアブ(ミズアブ)を食品残渣で飼育すると悪臭の主原因である二硫化メチルや三硫化メチルの発生が激減し、飼育残渣中の細菌の種類が大きく変化することがわかった。このミズアブの飼育残渣を食品残渣にあらかじめ加えることで、腐敗による臭気の発生を抑制できる。ミズアブは家畜や養殖魚飼料のタンパク質源として利用できることから、食品残渣のリサイクルと昆虫タンパク質利用拡大につながる成果と期待される。
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