2023.07.28 研究・成果
京都大学薬学研究科の白川久志准教授
アミロイドβの凝集などによる神経細胞死が起こる前の段階で、認知症を予防する薬剤が開発できるかもしれない。京都大学薬学研究科の白川久志准教授、和歌山県立医科大学薬学部の抱将史助教(研究当時、京大薬学研究科博士課程大学院生)らの研究グループは、温度・化学物質センサーであるTRPA1チャネルを刺激することで、脳内の髄鞘の再生を促すことを明らかにした。白川准教授は「今後、TRPA1チャネルを刺激する薬剤やその下流にあるLIF(白血病阻止因子)の放出を促進する薬剤を開発することで、軽度の認知障害など、神経細胞死が起こる前の治療薬開発につなげていきたい」と話す。
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