2023.09.29 大学等
一人の研究者を中心としたグループが基礎的な成果を臨床へと結びつけるのではなく、基礎研究者と臨床研究者がそれぞれの強みを発揮することで臨床課題を解決するという、新たなアカデミア創薬の形が見えてきた。東北大学病院の藤村卓准教授を中心とする研究グループは、東海大学医学部の八幡崇教授の研究成果をベースにして、国内6施設との共同で、外科的に根治切除が難しく、免疫チェックポイント阻害薬の効果が少ない悪性黒色腫(メラノーマ)を対象に、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(PAI-1)阻害薬TM5614と免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブを併用した第Ⅱ相医師主導治験を実施し、従来の治療法を超える高い安全性と治療効果を確認した。来年には施設数を増やして第Ⅲ相試験を実施するという。
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