2024.07.26 研究・成果
征矢野敬准教授
マメ科植物は根粒菌と共生することで、空気中の窒素を固定化し、少ない栄養環境下でも生育することができる。ただし、根にできた根粒の分布が偏っていたりすると地中から水や他の栄養素が十分に行き届かず、成長に悪影響を与えてしまう。そのため根粒菌の共生場所は緻密にコントロールされているが、その仕組みはわかっていなかった。
基礎生物学研究所共生システム研究部門の征矢野敬准教授、川口正代司教授、大熊直生特任助教(現・理化学研究所)、奈良先端科学技術大学院大学の中島敬二教授、郷達明助教、北海道大学の綿引雅昭准教授、関西学院大学の武田直也教授、赤松明助教(現・理化学研究所)、理研環境資源科学研究センターの榊原均客員主管研究員、小嶋美紀子専門技術員、竹林裕美子テクニカルスタッフ、愛知教育大学の菅沼教生名誉教授らの共同研究グループは、マメ科のモデル植物であるミヤコグサの研究から、根における根粒菌への応答には一定のリズムを刻む周期的な遺伝子の働きが伴っており、その周期性が根粒菌の感染を許す根の領域の広さを規定することで、根粒の分布を調節していることを発見した。さらに、この遺伝子発現のリズムの維持には植物ホルモンであるサイトカイニンが必要なことを明らかにした。
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