2024.11.29 研究・成果
理研の林洋平チームリーダー
iPS細胞を使った再生医療を身近なものにするためには、大量のiPSを安価に安定して生産する必要がある。有力な手法として、浮遊培養法があるものの、突発的に分化してしまう確率が、シャーレなどを使った接着培養法に比べて高いことが課題となっている。理研バイオリソース研究センターiPS細胞高次特性解析開発チームの林洋平チームリーダー、髙﨑真美開発研究員、京都大学iPS細胞研究財団研究開発センター、カネカ再生・細胞医療研究所らの共同研究グループは、突発培養を抑えながら大量培養できる手法を開発し、実用レベルでの大量培養を実現した。林チームリーダーは「分化誘導シグナルを遮断する2種類の化合物を入れるだけで、既存の市販培養液をそのまま使えるため、培養のコストは数分の1程度です。臨床応用に向けて取り組みたい」と話す。
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