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コラム・素領域

2018年11月30日号

素領域

地質時代の前期-中期更新世境界(約77万年前~約12万6000年前)を「チバニアン」とするための日本の申請が、第2ステップである第四紀層序小委員会(SQS)の審査を通過した。審査員の6割が通過ラインだったが、約9割の審査員が日本の提案に賛同した▼地質時代は、地球上の岩石をその形成された年代に基づいて区分したもの。それぞれの地質時代の境界を地球上で最もよく示す地層が、GSSP(国際境界模式層断面とポイント)であり、現在世界に71カ所あるが、日本にはまだない。千葉県市原市にある地層「千葉セクション」は前期-中期更新世境界を示すGSSP候補であり、もし国際地質科学連合(IUGS)で認められれば、中期更新世が千葉の時代を意味するチバニアンとなる▼チバニアンについては、一部任意団体から捏造疑惑が出ていたが、申請チームが「サイエンスとしては議論の余地がない」と主張するように、最後の地磁気逆転の証拠などが明確に示されており、第3段階の審査を経て、早ければ来年夏には認められるだろう▼日本で初めてGSSPが認められれば、地質学への一般の理解や若者の興味・関心をもたらすことになるが、こうした基礎科学を取り巻く状況は厳しい。教育・研究への資金が絶対的に不足しているのだ。国立大学法人化以降、こうした地味な基礎研究を行う資金は減少し続けており、科研費が取れなければ、実態として、研究や大学院生の教育が十分行えない。歴史的快挙の裏で、日本の文化としての科学が衰退しつつある。

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