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コラム・素領域

2018年12月7日号

素領域

ゲノム編集は、正確に標的遺伝子を改変する技術として、広く研究に用いられている。ヌクレアーゼとして、ZNF、TALEN、CRISPR/Cas9を用いる手法がある。いずれも05年以降に開発された新しい技術だ。特に汎用性や導入効率、コストなどの優位性により主流になっているCRISPR/Cas9は12年に、細菌のウイルスなどに対する防衛機構の解明を通じて開発された▼開発者らは当初から、同技術の利用は一般的な遺伝子導入技術と同様に、倫理的な問題や、生態系に悪影響を及ぼす可能性があることから、これら問題に対する科学者による議論の場を設けている▼日本では環境省の専門委員会が議論し、10月には報告案「ゲノム編集技術の利用により得られた生物のカルタヘナ法上の整理及び取扱方針について(案)」に対するパブリックコメントを募集。またこれを受けて日本育種学会は条件付きではあるが内容を支持する声明を発表した。報告案は遺伝子改変と同様に申請を義務づけるもので、研究を推進しながら危険を抑制できると思われる▼先日、中国の研究者がヒトの受精卵に対してゲノム編集を行い、子供を誕生させたとの発表が世界に大きな衝撃を与えた。確かに将来的には疾患治療への利用が期待されているが、今行うのは時期尚早だ。問題はそれだけではない。日本医師会なども非倫理的行為だとして批判する声明文を発表した。今回の行為で、すべての試みが十把一からげに扱われ、今後の議論がいたずらに妨げられることになりそうで、ただ悲しい。

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