2025.03.28 研究・成果
堀口直樹研究員
原子力発電所の事故では、炉内の燃料が溶けて、冷却材プールに落下した際、大量の細かな液滴に分裂して広がる。溶融燃料や分裂した液滴が冷え固まることで、燃料デブリが形成されるが、プールが浅いと、溶融燃料が衝突しながら液滴になるため、非常に複雑なプロセスで燃料デブリが形成される。
日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究センターの堀口直樹研究員、吉田啓之研究主席、筑波大学の金子暁子教授、阿部豊名誉教授らの研究グループは、浅いプールで溶融燃料が床面へ衝突しながら液滴に分裂する現象を観察し、その状況を把握するために、液体が大量の液滴に分裂する現象を3次元で可視化できる手法を開発した。また、3次元可視化データを処理することで、一つ一つの液滴の大きさや速さを高精度に計測することができるようになった。
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