2025.04.11 研究・成果
笠原竜四郎特任准教授
名古屋大学生物機能開発利用研究センターの笠原竜四郎特任准教授、野田口理孝特任教授、名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所の研究グループは、植物の種子形成に不可欠な「へその緒」にあたる新組織(笠原ゲートウェイ)を発見した。植物の新組織が見つかるのは160年ぶり。
被子植物では、めしべの中に胚珠があり、おしべにある花粉の中にある精細胞がその胚珠内にある卵細胞、中央細胞と重複受精することで種子を作る。受精に成功した胚珠と失敗した胚珠をアニリンブルーで染色すると、失敗したときには、カロース(多糖の一種)が分解されずに残るが、その時、卵細胞に伸びる花粉管とは逆の場所にカロースを貯めていることを見つけた。笠原特任准教授は「植物は、受精に失敗すると、なぜ種子を形成できないのかと考えながら実験をしていて、この現象を発見したのが始まりです」という。
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