産学連携によりイノベーションを起こし、日本経済を活性化しようというのが、政府目標の一つとなっているが「大学の先生に企業の研究者と同じようなことを求めるのは酷。真理の探究と本格的な産学連携という両輪で進めるべき大学で、現場の研究者がどっちつかずになっており、結局何も出ないことになるのではないか」と警鐘を鳴らすのは、リチウムイオン電池を開発し日本国際賞を受賞した吉野彰・旭化成名誉フェローだ。吉野氏は、電池開発の中で中核となる電極だけでなく、電池を構成するセパレータや集電体など、周辺部分についても一緒に開発することで、電池全体を組み上げた。民間企業で研究開発に取り組んできた吉野氏に、自身の研究開発のターニングポイントや大学の現状などについて伺った。 |
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