2025.09.12 研究・成果
鈴木淳教授
細胞死を起こした細胞を、マクロファージなどの貪食細胞が食べることで、生体はその恒常性を保っている。京都大学アイセムスの鈴木淳教授、大和勇輝元研究員らの研究グループは、がんや自己免疫疾患を起こす細胞など、体内において不要だが生きている細胞を貪食によって除去する新しいタンパク質「クランチ」(Crunch:Connector for Removal of Unwanted Cell Habitat)を開発した。マウスに移植したメラノーマの除去などにも成功した。鈴木教授は「クランチの認識部位を変えることで、様々な細胞を除去することができます。将来的には線維化した臓器などを対象にしてアンメットメディカルニーズ(有効な治療方法がない医療ニーズ)に応えたい。現在、クランチの実用化に向けて、遅くとも来月までには元楽天メディカル共同CEOの虎石貴さんと共同でバイオテックスタートアップを設立します。3年以内に臨床試験につなげていきたい」と話す。
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