2025.12.05 研究・成果

記者会見に臨んだ東京大学の佐々木裕次教授㊨と茨城大学の倉持昌弘講師
東京大学大学院新領域創成科学研究科の佐々木裕次教授と茨城大学学術研究院応用理工学野の倉持昌弘講師(東大講師兼任)らの研究グループは、X線動画で高分子樹脂内のミクロ分子運動を捉える新たな動態計測手法「透過X線明滅法(Transmitted X-ray Blinking:TXB)」を開発した。X線強度のわずかな時間的ゆらぎを解析することで、従来の透過X線撮影では区別ができなかったミクロ分子動態の違いを明確に検出することに成功した。佐々木教授は「これまでの透過X線撮影では区別できなかった、高分子材料が結晶かアモルファスなのかの違いを見分けることができた。物質の硬さの違いを見ることができるので、将来的にはアミロイドβが線維化し始めた段階の状態などを非侵襲で撮影できる方法に展開していきたい」と話す。
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