2026.01.09 研究・成果

老化細胞を除去する研究は世界中で活発に行われており、急速に発展しつつある。そのうち、老化細胞そのものの除去をセノリシス、老化細胞の一部の特徴(例えば慢性炎症)のみを除去することを、セノスタティクスと呼んでいる。京都大学大学院医学研究科の近藤祥司准教授、三河拓己同研究員、亀田雅博特定助教らの研究グループは、老化細胞除去(セノリシス)のための治療薬候補を発見した。老化細胞では、解糖系酵素PGAMとシグナル伝達キナーゼChk1の異常なタンパク結合亢進により、解糖系代謝が亢進し、老化細胞の生存能が高まることを見いだした。マウスのPGAMとChk1の結合を阻害すると、老化細胞選択的な細胞死(アポトーシス)が誘導され、慢性炎症が減少し、老化症状が改善した。さらに難治性加齢性疾患の一つである肺線維症モデルマウスでも、PGAMとChk1の結合阻害によるセノリシスにより、症状が改善し、加齢性疾患の新たな治療法としての有効性が示された。
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