2019.05.17 研究・成果
原子核の存在限界となる中性子ドリップラインに最も近く、二重魔法数を持つ原子核ニッケル78については、実験原子核物理学の最後の未踏二重魔法数原子核として、世界中で研究が行われている。理研仁科加速器研究センターの谷内稜リサーチアソシエイトをはじめとする日仏国際共同研究グループは、ニッケル78のガンマ線分光に成功し、長年未解決だった二重魔法性の直接的証拠を発見した。さらに生成に至るプロセスの一つに原子核の変形(魔法性の破れ)が起こることも明らかにし、ニッケル78が魔法性を失う直前の原子核であることも明らかにした。宇宙における重元素合成(r過程)の理解や魔法数の消失や出現といった現象の解明につながる成果だ。
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