左から、木村化工機械の池田博史部長、澤藤電機の大沢康男部長、岐阜大学工学部の神原信志教授
工場などで発生するアンモニアを含む排水は、触媒燃焼法や蒸気式蒸留法によって処理されているが、化石燃料を使用するため、二酸化炭素や窒素酸化物が排出されてしまう。木村化工機、澤藤電機、岐阜大学工学の神原信志教授らの研究チームは、困った存在の低濃度アンモニア水を、ヒートポンプ式蒸留法とプラズマメンブレンリアクター水素製造装置を使って低環境負荷で高純度水素にして、燃料電池で発電するシステムを開発した。アンモニア排水を利用して発電するというアイデアは以前からあったが、実証したのは世界初だ。
アンモニアは、大量のエネルギーを消費するハーバーボッシュ法で製造され、化学、食品、半導体など様々な産業で使われるが、使い終わったアンモニアは、排ガスや排水として廃棄される。これらの排水は、赤潮等の原因となる富栄養化につながるため、東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海などの閉鎖系海域では、窒素の総量規制制度が導入されている。
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