医療のビッグデータを収集・解析・活用することで、パーソナルヘルスの改善から医療経済までの幅広い分野に大きな効果がある。京都大学大学院情報科学研究科の原田博司教授がプログラム・マネージャーを務める革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)「社会リスクを低減する超ビッグデータプラットフォーム」は、患者のリアルタイムデータを解析することで、心臓病などの発症を予見するシステムや、ある年齢のいくつかの病気を持っている人が数年後に新たにかかる病気のリスクや死亡リスクを予測するシステムなどを開発した。原田PMは「私の父が心臓病で倒れてから、13年間介護する中で何度も入退院を繰り返し、合計で3000万円近くの医療費がかかった。これを予防することで、社会コストを低減できると考え、超ビッグデータ収集・解析システムの応用先として医療を選択した」と話す。
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