2020.11.20 研究・成果
京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の井上治久教授、今村恵子講師らの研究グループは、武田薬品工業などとの共同研究で、化合物スクリーニングでヒット化合物を予測する新たな機械学習アルゴリズムとして、熱拡散方程式(HDE)モデルを開発し、従来とは異なる構造をしたALS(筋萎縮性側索硬化症)の薬物候補物質を見つけることに成功した。
日本には約9000人のALS患者がいるが、根本的な治療薬や予防法は存在していない。井上教授らの研究グループはこれまで、ALS患者のiPS細胞から筋肉神経細胞を樹立し、それを使って治療薬候補の探索を行っていた。今回の研究は、CiRAと武田薬品工業の共同研究プログラムの一環として行われたもので、武田から熱拡散方程式を使ったAIでスクリーニングが可能ではないかというアイデアが出て、それを井上教授らの作ったiPS細胞パネルで実証した。
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