2020.11.27 政策
多方面から様々な意見が飛び交った第1回Qサミット
量子技術が拓く将来社会や関連技術の進捗・発展の見通し、戦略的に取り組むべき研究開発課題などについて、産官学政が忌憚なく意見交換を行い、共通認識を得るため、第1回Qサミットが開催された。主催した量子技術推進議員連盟の林芳正会長(参議院議員)は「20年くらい前に大きなテーマになったナノテクは、実用化までに随分時間がかかったが、量子はいち早く実用化が進んでいる。量子を活用できなければ、これからのビジネスでは生き残れない。産学官が一体となって取り組むことが必要」と話す。
量子技術の実社会での活用は着実に進んでいる。デジタルアニーラなどの古典的なコンピューティングによる仮想的量子イジングマシンは、工場内経路最適化(富士通)、倉庫オペレーション改善(日立)、輸送ネットワーク最適化(日本郵便)に活用され、D-WAVEやNTTなどの量子アニーリングマシンは、工場内の無人配送車の経路最適化(DENSO)、交通量最適化(豊田通商)、ホテルリコメンド最適化(リクルートコミュニケーションズ)、ポートフォリオ最適化・株価予想(野村アセットマネジメント)、コールセンター要員シフト作成(SMFG)、生産計画最適化(NEC)、量子化学計算(京セラ)などに利用されている。
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