2021.01.15 研究・成果
近年、精神遅滞や自閉症スペクトラムなどの発達障害児が顕著に増加している。疫学調査などから、子供の発達障害リスクには父親の年齢が大きく関与することが知られていたが、その分子メカニズムは不明だった。東北大学大学院医学研究科の大隅典子教授らの研究グループは、マウスを使った実験で、加齢による精子DNAの低メチル化が、神経分化を制御するタンパク質REST/NRSFに関与することで、胎児脳の発達に影響を与えることを明らかにした。大隅教授は「今回、父親の加齢による次世代個体の神経発生への影響を遺伝子レベルで初めて解明できました。今後、葉酸によるDNAメチル化の改善など、栄養学的観点からアプローチでの研究を進めたい」と話す。
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