2021.01.22 研究・成果
岐阜大学応用生物科学部の志水泰武教授は、ラットの大腸菌に痛みの刺激を与えた場合、オスでは排便と関連する大腸の動きが誘発されるが、メスでは誘発されないことを確認。このメカニズムとして、脳から脊髄に下行性疼痛抑制経路を通じて供給される神経伝達物質の成分がオスとメスで異なり、そのため脊髄排便中枢による排便調整の働きがオスとメスで異なることを発見した。
大腸内に痛みの刺激を与えると、脳から痛みを緩和するために神経伝達物質が放出される。これまでの研究により、神経伝達物質のうちセロトニン、ドパミンなどのモノアミンが、痛みを緩和するのと同時に、大腸の運動を促進することを明らかにしている。そこで今回の研究では、オスとメスのラットに麻酔をかけた状態で、大腸内にカプサイシンによる痛み刺激を与える実験を行った。その結果、オスでは大腸運動が促進されるが、メスのラットでは促進されないことが明らかとなった。
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