2021.03.05 研究・成果
東京大学大学院農学生命科学研究科の大久保範聡准教授らの研究グループは、女性ホルモン受容体の一つであるEsr2bの遺伝子に変異が生じたメスのメダカが、オスからの求愛を受け入れず、逆に他のメスに求愛することを見いだした。たった一つの遺伝子変異によって、メス型の性指向と配偶行動パターンが消失し、さらにオス型に逆転したことになる。研究グループはさらに、メダカの性指向と配偶行動パターンは、体内の男性ホルモンと女性ホルモンの量的な関係によって、その時々で一時的に成り立っているに過ぎないことを見いだした。魚類にみられる性転換現象のメカニズムを明らかにする糸口としても注目される。
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