2021.04.02 研究・成果
京都大学霊長類研究所の徳山奈帆子助教と戸田和弥研究員、石塚真太郎研究員らの研究グループは、アフリカ・コンゴ民主共和国ルオー学術保護区に生息する大型類人猿の野生ボノボ集団で、メスが他の集団の子供を「養子」として受け入れた2例を発見したと発表した。これまで大型の類人猿では血縁や過去の交友関係のない子供を養子にする事例は確認されていなかった。糞のDNA分析により養母と養子には血縁関係がないことも確認。養母は1年以上の長期にわたり養子の養育を続け、現在も養子は順調に成育しているという。現代の人にみられる血縁関係にない養子縁組や、見知らぬ他者へ手助けできる特徴の進化解明につながる成果と期待される。
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