2021.04.23 研究・成果
アルツハイマー病は、アミロイドβが凝集することをきっかけにして、タウタンパク質のリン酸化による神経原線維変化が形成され、神経細胞死に至ることで発症する。そこで東京大学大学院薬学系研究科機能病態学教室の富田泰輔教授、堀由起子講師、小澤柊太大学院生らと、有機合成化学教室の金井求教授、相馬洋平医薬機能グループリーダー(研究当時)らの研究グループは、光照射で活性化する光酸素化触媒を用い、人為的に凝集アミロイドβ選択的に酸素を付加する光酸素化法を開発し、モデルマウス脳内のアミロイドβの凝集を抑制し脳内から除去できることを明らかにした。アルツハイマー病の新たな治療方法として期待される。
認知症患者の6~7割がアルツハイマー病と言われている。脳内に蓄積するアミロイドβが凝集し、その細胞毒性により神経原線維化が起こり、その後、認知機能障害が起こる。そのため、アミロイドβを除去することができれば、アルツハイマー病を防ぐことができる。
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