2021.04.30 政策
総会後、日本学術会議の梶田隆章会長(右)から井上信治科学技術政策担当相に声明と報告書が手交された
日本学術会議の総会が4月21日と22日に開催され、声明「日本学術会議会員任命問題の解決を求めます」と「日本学術会議のより良い役割発揮に向けて」の報告書が取りまとめられた。昨年10月の任命拒否問題発生以降、国民から求められているコロナ禍への対応策についての検討が進まないことについて、会員からも意見が出ており、梶田隆章会長は「新型コロナで困難な状況の中、学術会議のあり方についての審議に取り組まざるを得なかった。大変忸怩たる思いを持っている」と話した。
声明は、6人の任命と任命拒否の理由の説明を改めて求めるもので、会員からは「理由を明らかにすれば、任命拒否を認めると取られかねない」という意見がでて、文書が修正された。会員任命拒否問題が解決されないまま半年が経過し、幹事会声明から一つトーンを上げた総会声明が採択されたものの、井上信治科学技術政策担当大臣は声明手交後の会見で「事務的になると思うが(総理に)伝える」とだけ答えた。
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