2021.07.02 研究・成果
これまで遺伝疾患は、特定の遺伝子がコードするタンパク質の機能が失われたり、あるいは強くなりすぎたりすることで発症すると考えられてきた。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科の森尾友宏教授、山下基助教、理研生命医科学研究センターの谷内一郎チームリーダーの研究チームは、NIH、ロックフェラー大学、千葉大学、広島大学、かずさDNA研究所との共同研究で、新しい免疫不全症(AIOLOS異常症)を同定し、その病気の発症機構が、異常タンパク質が複合体を形成する他の分子に影響を与えるという、従来とは異なるメカニズムであることを明らかにした。森尾教授は「今回見つかったヘテロマー干渉阻害による疾患は他にもあると考えている。異常タンパク質の複合体形成をピンポイントで抑制する薬が開発できれば、有効な治療になる」という。
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