2021.07.09 研究・成果
京都大学大学院医学研究科の森本尚樹教授、国立循環器病研究センター研究所生体医工学部の山岡哲二部長、関西医科大学の楠本健司教授らの研究グループは、高圧処理により母斑組織中の全細胞を死滅させた母斑組織そのもので真皮を再建する新規治療法「完全皮膚リサイクル治療法」を開発し、10例の患者を対象に臨床研究を実施したところ、皮膚の再生が可能で母斑の再発もないことを確認した。今月中にも、この治療法で用いる高圧殺細胞装置の医療機器承認、保険収載を目指した医師主導治験を開始する。
先天性巨大色素性母斑は、生まれたときから大きな色素性母斑が存在する疾患で、放置すると数%程度の割合で皮膚ガンが発生する。治療には、皮膚移植が有力であるものの、面積が大きいため自分の皮膚では足りない。そこで自家培養表皮が2016年から保険適用になったものの、真皮が存在しないと生着率が低かった。
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