日本学術振興会の里見進理事長
岸田政権が発足し、科学技術が政策の重要な柱として位置づけられたものの、厳しい国際競争の中で日本の位置づけは低下してしまっている。こうした中、日本の科学技術政策をどのように進めれば良いのか。新春インタビュー第1弾として、日本学術振興会の里見進理事長は「若者へ将来の道筋を示すことが最も大切なこと」と語る。
--若手研究者の育成で大切なこととは
日本の研究者を育成する仕組みの中で、日本学術振興会の特別研究員制度は成功例だと思う。特別研究員制度は、その前身の奨励研究員制度が昭和34年にスタートし、現在は大学院生にはDC1とDC2、卒業した人にはPD、海外に行く人には海外特別研究員、CPD(国際競争力強化研究員)、出産・育児に対応したRPDがある。DCの場合は終了後5年で7割、10年で9割、PDの場合は終了後5年で9割が常勤の研究者となっている。つまり特別研究員が研究者への道筋になっている。
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