2022.08.26 その他
東京農工大学の千葉一裕学長
自らの強い意思と洞察力で見いだした課題について、挑戦・実行・完遂できる人(Enabler)になる才能を発見し育てるためには、本気で挑戦できる環境を作らなければならない。大学発スタートアップで成功し、ムーンショット型研究開発・目標5のプログラムディレクターも務める東京農工大学の千葉一裕学長は、自身の経験を踏まえ、大学におけるイノベーション人材育成について総合科学技術・イノベーション会議有識者会合で提言した。千葉学長は「大学経営についても、単に補助金を出すのではなく、政府から資金を貸し付けて、返さなければならないという厳しい状況が必要かもしれない」と話す。
千葉学長は2005年、当時は医薬品材料としては注目されていなかったペプチドの製造技術開発を目指して、JITSUBOを起業した。日本全体がベンチャーブームにあり、斬新な技術があり、様々な化学反応にも応用できるのだからといった、いくつかの動機で始めたもののの「こうしたことはほとんど十分な理由にならない」と振り返る。
© 2024 THE SCIENCE NEWS