2022.09.30 研究・成果
東京大学の合原一幸特別教授
近い将来、スマートウォッチから得られる情報から、「そろそろ病気になりそうだ」ということが予測できるようになるかもしれない。東京大学の合原一幸特別教授らは、病気の早期診断や病態悪化の予兆検出を可能とする動的ネットワークバイオマーカー(DNB)を発見するためのDNB理論を構築し、臨床に向けた応用を着実に進めている。これまでメタボリックシンドロームマウスやヒトのインフルエンザ未病状態の検出などのほか、新型コロナの流行前予測にも成功しており、数理工学の様々な分野への展開が進んでいる。合原特別教授は「それぞれの疾患について、DNBを特定してしまえば、心電図など一つのバイオマーカーの時系列変化から未病を検出できます。逆に疾患状態から健康状態になる治癒の予兆も検出できるので、その応用研究についても進めています」と話す。
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