2022.10.07 研究・成果
東京大学アイソトープ総合センターの杉山暁助教らとサヴィッド・セラピューティクス(塚越雅信代表取締役社長)の研究グループは、抗体を模倣して人工的に合成したタンパク質「ミメティクス薬剤」と、近赤外光を照射することで一重項酸素をつくりだす新化合物「Ax-SiPc」を結合させた治療候補薬「FL2」を開発し、再発した乳がんを完全消失させることにマウスで成功したと発表した。同治療を1度行ったところ5割が再発するも、再発腫瘍にもう1度同じ治療を行うと全てのマウスで腫瘍が消失した。腫瘍が消失した組織には免疫系の細胞が集積していることも確かめた。広範な進行がんの治療法開発につながる成果と期待される。成果は国際科学誌「Cancer Science」に掲載された。
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