2023.01.27 研究・成果
岡田欣晃准教授
大阪大学大学院薬学研究科の森田真綾大学院生(博士後期課程)、岡田欣晃准教授らの研究グループは、血管透過性を抑制する機能を持つRobo4遺伝子の発現量を増やすことで、重症感染症(敗血症)マウスの血管透過性の亢進と、死亡率を軽減できることを発見した。またRobo4遺伝子の発現を調節する仕組みから、Robo4量を増やす薬(ALK1阻害剤)を同定し、この薬で肺の血管透過性を下げ、敗血症・新型コロナウイルス感染症マウスの死亡率を低減できることを証明した。岡田准教授は「血液透過性を標的とする治療戦略は理論上、病原体の種類を選ばないため、新たに発生する未知の感染症の治療薬開発に貢献できると考えています。今後、最適な分子設計を進めるとともに、企業との共同研究などにも取り組みたい」と話す。
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