左から、東京女子医科大学の市原有起講師、新浪博教授、大阪大学の澤芳樹特任教授、東京女子医科大学で患者の主治医をしている菊池規子講師、移植手術を受けた60代女性患者

山中伸弥教授のノーベル賞受賞から約10年、ｉＰＳ細胞を使った再生医療の実用化がいよいよ迫ってきた。大阪大学大学院医学系研究科の澤芳樹特任教授らの研究グループは、８人の患者へのｉＰＳ細胞由来心筋シートの医師主導治験における移植手術が完了したと発表した。これまでに移植手術を受けた８人はいずれも症状が改善し、３月に手術を終えた女性患者は「手術を受けてとても元気になりました」と語り、順調な回復ぶりを見せた。経過観察を行った上で、半年から１年以内に医薬品医療機器総合機構（ＰＭＤＡ）に薬事承認申請を行い、条件期限付き承認を目指す。澤教授は「スタッフ、共同研究者、臨床の先生方のおかげでここまでこられた。参加してくれた患者さんを含めて心より感謝申し上げたい」と話した。