2023.11.24 研究・成果
慶應義塾大学医学部の市原元気助教(研究当時)、佐野元昭准教授、同スポーツ医学総合センターの勝俣良紀専任講師と京都大学大学院医学研究科の杉浦悠毅特定准教授の研究チームは、心筋梗塞の代謝変化に注目した新しい治療アプローチを発見したと発表した。疾患モデルマウスを用いて、心筋の虚血再灌流障害が段階的に進む過程を「代謝分子を用いたモニタリング手法」で詳細に観察。同障害が心筋保護の重要な因子であるグルタチオン(還元物質)がトランスポーター「MRP1」を介して細胞外放出されてしまうことに起因していることがわかった。活性酸素の除去を強化する代謝経路への介入で同障害後の心筋ダメージを減少できることも確かめた。心筋梗塞後の回復支援につながる成果と期待される。
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