崇城大学工学部ナノサイエンス学科の黒岩敬太教授と同薬学部薬学科の池田剛教授は、京都工芸繊維大学、京都大学と共同で、トマトの非可食部(葉や茎)から抽出されたステロイドアルカロイド配糖体(トマチン、デヒドロトマチン)を利用して新たな発光ナノ材料を開発したと発表した。ステロイドアルカロイド配糖体とシアン化金を溶媒中(水)で混合すると、自己組織化することを明らかにした。ステロイドアルカロイド配糖体は、LDLコレステロール低下効果など特異的な生理活性を有しているため、この作用部位や細胞等の生体標識材料(発光プローブ)としての利用を検討しているという。農産物の有効利用につながると共に、新たな発光ナノ材料としての実用化が期待される。研究はキヤノン財団の助成を受けて行われた。成果は日本化学会発行の欧文誌「Chemistry Letterrs」6月号に掲載が予定されている。
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