2024.05.24 研究・成果
熊田高之研究主幹
有機と無機のハイブリッド材料を作るためには、異種材料間でのナノレベルでの結合が重要になる。自動車用のタイヤでは、ゴム材料の性能を高めるため、シリカナノ粒子を加えるが、ゴムとシリカの結合を強くするためカップリング剤を添加している。このカップリング剤がどのように機能しているのかを知るためには、異種材料の界面を観察する必要があるが、これまでの手法では直接観察ができなかった。
原子力研究開発機構物質科学研究センター・J-PARCセンターの熊田高之研究主幹、山形大学の西辻祥太郎准教授、総合科学研究機構の阿久津和宏副主任技師、三重大学の鳥飼直也教授、横浜ゴムの網野直也理事、京都大学の竹中幹人教授らの共同研究チームは、スピンコントラスト変調中性子反射率法を使うことで、ゴムとシリカナノ粒子の界面にカップリング剤が単分子層を形成していることを観測することに成功した。
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