2024.05.24 研究・成果
過去の観測データから、エルニーニョ(太平洋赤道域の海面水温が高くなる現象)が発生した年に日本は暖冬になりやすいことが知られている。2023~24年の暖冬はまさにその傾向が当てはまった。しかし、14~15年のエルニーニョ発生時に記録的な寒冬が発生したように、エルニーニョ発生年に日本が寒冬になった事例も少なくなく、どのような仕組みがエルニーニョ発生年の暖冬と寒冬を決定づけているのかは未解明だった。
九州大学応用力学研究所の塩崎公大学術研究員、時長宏樹教授、森正人助教の研究グループは、過去61年間の天候を100通りも再現した大規模な数値シミュレーションデータを解析し、夏から冬にかけてのエルニーニョ現象の発達が早く進行するか遅く進行するかという違いが、その年の冬に日本が暖冬傾向になるのか寒冬傾向になるのかを大きく左右していることを発見し、その仕組みを解明した。
© 2024 THE SCIENCE NEWS