2024.11.15 研究・成果
人前でのプレゼンや競技などを行うとき、高いパフォーマンスを発揮する人もいれば、緊張してうまくできない人もいる。では、ヒトに最も近縁なチンパンジーは、他者の目を気にするのだろうか。
京都大学野生動物研究センター博士後期課程学生のクリステン・リンさん、秋田県立大学の村松明穂助教、京都大学高等研究院の山本真也准教授の研究チームは、チンパンジーにおける聴衆効果を調べるため、難易度や認知的要求度の異なる3種類の数認知課題に対する6頭のパフォーマンスを、聴衆の構成を変化させながら6年間にわたって記録した。その結果、チンパンジーのパフォーマンスは、聴衆の数や種類に影響されることがわかった。最も難しい課題では、実験者の数が増えるにつれてパフォーマンスが向上したが、最も簡単な課題では、慣れ親しんだ聴衆の数が増えるにつれてパフォーマンスが低下した。
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