福井県立大学生物資源学部の村井耕二教授は、ホクレン農業総合研究所、農研機構西日本農業研究センターと共同で、日本初の超多収ハイブリッド小麦を開発したと発表した。日長感受性細胞質雄性不稔(PCMS)系統を育成し、それを親品種に雑種強勢(ヘテロシス:雑種第1代が持つ優れた性質)を利用することで開発に成功した。作出したハイブリッド小麦は標準品種より20-60%も多収で4-5日早生な特性がある。国産小麦の多くは中間質小麦で主に麺用だが、作出した小麦は花粉親品種の硬質小麦の遺伝的効果で、これまでの日本産小麦にない性質を持っているという。食糧自給率の向上に貢献すると期待される。成果は9月22-23日、岡山大学で開催された日本育種学会第134回講演会で発表された。
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