2026.11.06 研究・成果

心房細動による脳梗塞を防ぐ基本の治療は抗凝固薬、いわゆる血液サラサラの薬だ。しかし、この薬を飲んでいても、脳梗塞を経験した患者のおよそ6人に1人が5年以内に再発する。抗凝固薬は血栓をできないようにするだけで、その源である心房細動という不整脈そのものは治療されない。不整脈そのものを正常な脈に戻すリズムコントロールは、心房細動患者で心血管イベントを減らすことが海外の臨床試験で示されているが、脳梗塞を起こした直後の患者に行われることはまれで、その効果もわかっていなかった。
京都大学大学院医学研究科博士課程の江頭柊平さん、井上浩輔教授、今中雄一教授、国立循環器病研究センターの古賀政利部長らの研究グループは、ドイツ・ハンブルク大学医療センターとの国際共同研究で、心房細動を伴う急性期脳梗塞患者約1万4千人を追跡し、脳梗塞後8週間以内にリズムコントロールを開始した患者では、リズムコントロールを受けていない患者と比べてその後の脳梗塞再発リスクが44%低いことを明らかにした。抗凝固薬に上乗せする新たな再発予防の選択肢として、リズムコントロールの可能性を示すものだ。
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