2019.06.07 研究・成果
左から、寺田大紀博士課程学生、白川昌宏領域研究統括、五十嵐龍治グループリーダー
物質の量子的振る舞いを利用することで、生体内の分子レベルでの挙動を計測する量子センサーは、細胞内のミトコンドリアなどの温度や磁場、電場などの変化を捉えることができるが、より小さなタンパク質やDNAなどの分子はうまく測ることができなかった。量子科学技術研究開発機構(QST)量子生命科学領域の五十嵐龍治グループリーダー、白川昌宏領域研究統括(京都大学教授)、寺田大紀博士課程学生らは、スイス連邦工科大学チューリッヒ校やネゲヴ・ベン=グリオン大学(イスラエル)、ナノ炭素研究所と共同で、生命現象や細胞内環境を分子レベルで精密計測するための次世代ツールとなる、世界最小の5ナノ㍍のダイヤモンドNVセンターを使った量子センサーの開発に成功した。量子センサーを使って生きた細胞内部の詳細な情報を取得することで、生命科学研究は新たな段階に進む。
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