2020.01.24 研究・成果
右から、辻省次特任教授、松川敬志特任助教、黒川峰夫教授
大脳型副腎白質ジストロフィーは、かつて有効な治療法のない難病の一つだった。近年、小児期の大脳型副腎白質ジストロフィーについては、発症早期に造血幹細胞を移植することが有効であることが分かっているが、大人の大脳型副腎白質ジストロフィーは、造血幹細胞移植の報告例が少なく、その治療効果も様々であるため、治療効果が確立されていなかった。
東京大学医学部附属病院22世紀医療センターの辻省次特任教授と松川敬志特任助教は、血液・腫瘍内科の黒川峰夫教授と共同で、2003年9月から18年10月にかけて、45症例の副腎白質ジストロフィーについて継続的に診察し、造血幹細胞移植を行った12例について経過観察を行ったところ、早期の段階で造血幹細胞移植を行うと、病状の進行を抑制できることを明らかにした。
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