2020.03.13 研究・成果
リチウムイオン電池は、現時点で最も優れた二次電池だが、非常に燃えやすいのが弱点だ。東京大学大学院工学系研究科の山田淳夫教授と理学系研究科の中村栄一特任教授らのグループは、炭酸エステル類に代わる多機能溶媒を設計・合成することに成功した。この溶媒は、炭酸エステル類と難燃剤の特徴を融合した合理的な分子構造を有し、両者の特徴である保護膜形成、難燃性、酸化耐性の全てを兼ね備えているため、リチウムイオン電池用電解液として使えば、高い難燃性が得られるとともに、高電圧化と長寿命化が同時に達成できるようになる。既存の電池生産ラインをそのまま使用できるという。
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